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('A`)は音魂に出会うようです

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 21:51:06.75 ID:pz8TmGm10
*注意書き*

・このスレには、>>1の独断と偏見に満ち満ちたレスが多数投下されます
・知識不足にも拘らず、分かったような口ぶりで音楽論を語ったりします
・機材やバンド、アーティストに関連する固有名詞が多く登場しますが、それについての説明は一切行いません
・この物語はフィクションです。実在する機材名、会社名、団体名、グループ名、個人名とは一切関係ありません
・ハインは俺の嫁

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 21:53:24.20 ID:pz8TmGm10


一話 “きっかけとか、こんなもん”


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 21:58:20.04 ID:pz8TmGm10
俺が小学生の頃だった。

俺が小学生だったある日の夜。
俺は夕飯を食い終わって、親父と一緒にテレビを見ていた。

(・A・)『ねー、おやじー』

『なんだ』

(・A・)『おやじって、ギター弾けるの?』

『なんだいきなり』

俺は立ち上がって、居間を出た。
親父の部屋に入って、古びたアコースティック・ギターを手に取る。
居間に戻ると、親父は相変わらず寝転がってテレビ画面を眺めていた。

(・A・)『これ、おやじのだろ』

『持ってくるなよ』

親父はこちらに向けた顔を迷惑そうに歪め、それから台所で皿を洗っているお袋の後姿に視線を送った。

『怒られるだろ』

(・A・)『なんか弾いてよ』

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:02:23.40 ID:pz8TmGm10
俺の頼みを断り続ける親父の、鯔のようにでっぷりとした体を揺する。
親父は時折唸り、時折屁を放出して俺に抗い続けた。

そのうちにお袋がやってきて、親父に言った。

『いいじゃない、一曲くらい』

『私も聞きたい』

その言葉で嫌々ながらも起き上った親父は、俺からギターを受け取った。
お袋には逆らえない。当然のことだった。

『一曲だけな』

親父は6本の弦をひとつずつ弾いて、チューニングを始めた。
そのときの俺には、親父がなにをしているのか見当もつかなかった。
ただ映画を見る直前のような、ワクワクした気持ちだけが俺の胸の中を覆っていた。

『失敗しても笑うなよ』


居間に響き渡る、Eメジャースケール。
柔らかくて、透き通っていた。

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:06:07.34 ID:pz8TmGm10
『知ってるか』

(・A・)『なに?』

『エリック・クラプトン』



その日聴いた“チェンジ・ザ・ワールド”は――――



確かに、俺の世界を変えた。

テレビのスピーカーから流れ出る欠伸の出るような歌謡曲をかき消して。
俺の脳みそを、革新的なサウンドで突き刺した。

曲が終わった時、俺は照れ臭そうにギターを壁に立て掛ける親父に向かって、無意識のうちに言った。
心臓はまだ熱く、強く鼓動していた。



(*・A・)『かっこいいじゃんか………おやじ』

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:10:06.41 ID:pz8TmGm10


二話 “ぼっちは部活に入れ。それでも駄目ならもう知らん”


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:15:29.07 ID:pz8TmGm10
高校生になると、これまでの学校生活とは大きく違った意識を持つことになる。
地元の公立高校に入学して一週間、俺はそのことを大いに肌で感じていた。

('A`)「友達できねぇ……」

まず第一に、疎外感が半端じゃない。
同じ中学だった友人たちは、揃いも揃って都心部にある有名私立校へ行ってしまった。
頭があまりよろしくなく、将来のことも特に考えていなかった俺は、家から自転車で数十分の高校へ進学した。

('A`)「このままじゃ、便所飯までそう遠くないな」

そして高校には部活が多い。
設備も呆れるほど充実している。
ここは公立の高校だが、珍しいくらいに部活動に力を注いでいる。
運動部はどれも全国大会の常連で、文化系の部活ですら各々にちゃんとした部室が与えられていた。

('A`)「部活入らなきゃ………」

入学から一週間が経った。
そろそろ部活動を決めなくてはならない。
帰宅部でもいいが、どうせなら一度きりの高校生活、有意義な活動をして過ごしてみたい。
そう決心した俺は、この日の放課後、ビクビクしながら渡り廊下を歩いていた。

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:20:22.84 ID:pz8TmGm10
('A`)「この廊下の一番奥だな」

部室棟と呼ばれている離れ校舎。
文化系の部活の活動拠点が寄せ集められた棟だ。
廊下は薄暗く、湿っぽく、足を踏み出す度に靴底の下でリノリウムの床がきゅっと鳴いた。

('A`)「人気ねえな」

数々の部室の前を素通りしていく。
文芸部、天文部、写真部、映像研究部………百人一首部なんてふざけたものまである。

('A`)「ここか」

たどり着いた、一枚の扉の前。
上を見ると、『軽音楽部』と書かれたプレートが貼り付けてあった。

事前に目星をつけておいた部活だ。
手の震えを抑え、ドアノブに手を掛ける。

('A`)「押すのか………引くのか……」

('A`)「……押すッ!」

最初は勢いが肝心である。
その考え方が、間違っていた。

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:24:43.45 ID:pz8TmGm10
('A`)「失礼しまっす!」




( ・∀・)「んん?」

( ^Д^)「あ?」

ミ,,゚Д゚彡「んだコラ」

(’e’)「誰だてめぇ」

ミセ*゚ー゚)リ「なにアンタ」









('A`)「……」

('A`)「失礼しました」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:28:30.09 ID:pz8TmGm10
間違いない。
これは部活動漫画の王道。


『部室のドアをあけたら不良の巣窟だった』


鼻を突く煙草の臭い。
スプレーアートの壁。
酒の空き缶。
ぼろいソファー。

某あひるの空とか、某ルーキーズの初期に見られる現象だ。


('A`)「まさか自分の身に降りかかるとは……」

( ・∀・)「おい」

('A`)「いや、そんなはずはない。この俺が、そんなレアな状況に遭遇するはずが……」

( ・∀・)「シカトしてんじゃねえぞ」

('A`)「はい?」

( ・∀・)「中入れよ」

('A`)「え?」

( ・∀・)「入れっつってんだよ」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:33:22.58 ID:pz8TmGm10



( ・∀・)「名前は」

('A`)「……」

( ・∀・)「おい、無視か?無視なのか?」

('A`)「鬱田毒男です」

( ・∀・)「クラスは」

('A`)「1年B組」

( ・∀・)「なんでここに来た」

('A`)「軽音楽部に………入部しようと思って」

( ^Д^)「はぁ?」

ミセ*゚ー゚)リ「こいつマジウケルんだけどwww」

ミ,,゚Д゚彡「なに、ギターとか弾けんの?」

( ^Д^)「バンドやろーぜ!ってか?」

(’e’)「馬鹿じゃねえのwwww」

ミセ*゚ー゚)リ「キモいwww今時バンドとかwwww」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:37:51.69 ID:pz8TmGm10
('A`)「あの」

( ・∀・)「あ?」

('A`)「ここ、軽音楽部ですよね?」

( ^Д^)「は?なに勝手に口聞いてんの?」

壁際の床に座らされた俺を、半円を描いて取り囲む先輩方。
彼らが座る錆ついたパイプ椅子が、ギシギシと悲鳴を上げている。

俺をこの部室に連れ込んだ先輩が、煙草の灰を床に落として言った。

( ・∀・)「そうだよ。軽音楽部だよ」

('A`)「活動はしてるんですか?」

ミセ*゚ー゚)リ「なにこいつ」

ミ,,゚Д゚彡「調子乗ってね?」

(’e’)「根性焼きすんぞ?コラ」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:39:35.90 ID:uoaJnC2fO
支援

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:40:17.87 ID:pz8TmGm10
( ・∀・)「俺たちがバンドしてると思うか?」

('A`)「いえ」

( ・∀・)「そういうこと。残念だったな」

('A`)「どういうことですか?」

( ^Д^)「おいガキ、調子乗んなよ」

ミ,,゚Д゚彡「俺らキレるとマジで何するか分かんねぇぞ」

俺が訊くたびに、周りの不良たちは語気を荒げて俺を罵った。
立ちあがって俺につめ寄り、脅しをかける者までいる。

どうとでも言え。

( ・∀・)「だせぇーじゃん。バンドとか」

('A`)「……」

( ・∀・)「特技はギターです、とか平気で言える人間はな」

( ・∀・)「自分の痛さに気づいてない目立ちたがり屋の根暗野郎なんだよ」

( ・∀・)「お前みたいな」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:43:06.52 ID:pz8TmGm10
否定できない自分が恨めしい。
だけどちょっと待ってくれ。

('A`)「じゃあなんで先輩方は軽音楽部に?」

( ^Д^)「お前マジ何様だよ」

ミ,,゚Д゚彡「いい加減にしねえと本当に殺すぞ、おい」

殺せよ。

( ・∀・)「自由な空間と部費の横領」

( ・∀・)「他になにがあるんだよ」

('A`)「三年生ですよね?」

(#^Д^)「おいゴラァッ!!」

( ・∀・)「そうだ」

('A`)「顧問は?」

(#^Д^)「―――」

( ・∀・)「名前だけの糞教師が一人」

('A`)「なるほど」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:50:03.96 ID:pz8TmGm10
(#^Д^)「シカト決めやがって!ぶっ殺すからなッ!!てめぇ、もう逃げられねえぞッ!!」

( ・∀・)「うるせぇな、耳元で叫ぶなよ」

( ・∀・)「殺すぞボケ」

(#^Д^)「あぁ……!?」

( ・∀・)「もう行けよ」

('A`)「はい」

( ・∀・)「二度と近づくな」

('A`)「分かりました………」

立ちあがって、出口へ向かう。
ドアを開けて、振り返った。

顔を赤くした男、歪んだ笑いを浮かべる男、目を細くして睨む女。
抑えていた感情が喉から込み上げ、口をこじ開けてこぼれ出た。

気づいた時にはもう遅い。
右手の中指が、ニコチンで黄ばんだ天井を指していた。

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:54:42.10 ID:pz8TmGm10
(゚A゚)「ファック・オフ。てめーら全員死んじまえ」









――――渡り廊下を、叫びながら全力で駆ける。

足を止めてはいけない。
背後には、悪魔の軍団が迫っている。

(#^Д^)「待てやゴラアアアアアアアアアア!!!」

(#゚A゚)「待つかボケエエエエエエエ!!!」

横を流れていく教室から響くトランペットが、呑気な音で俺たちを煽る。
廊下を三段飛ばしで駆けおり、驚く生徒たちを追い抜いた。

(,,゚Д゚)「廊下を走るなァッ!!」

すれ違った体育教師の怒鳴り声は、不良たちには掛けられなかった。
理不尽だ。あまりに理不尽だ。

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 22:59:43.72 ID:pz8TmGm10
(#゚A゚)「ちくしょう――――――」

高校に入ったら、バンドをやろう。
それが俺の希望だった。

いままで音楽の話が合う友達は一人もいなかった。
皆が聴くのは、ハウスにテクノ、トランスにR&B HIPHOP。
俺にだってお気に入りのディスク・ジョッキーが一人や二人はいる。
だけど今時の中高生は、ガンズ&ローゼスの名前すら知らない。

(#゚A゚)「うるああああああああああ!!!!」

軽音楽部に入れば、もう自分の部屋で一人、ギターを弾くこともないんだ。
ロック好きな友達を作って、飽きるまで音楽トークをして、ノリでバンドを結成して、あの曲やこの曲をコピーしたりアレンジしたり………
もしかしたら、オリジナルの曲なんか作っちゃったりして………



――――そんな幻想は、見事にぶち殺されたわけだ。

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:03:42.40 ID:pz8TmGm10
この高校の軽音楽部は、三年生の不良たちの溜まり場で有名だった。
数年前から、正式な活動など一切行っていない。
現在では、授業をサボる時の休憩所、もしくは喫煙所として幅広く利用されている。

顧問はいるが、名前だけ軽音部に貸し与えているような状態だ。
その教師も、部室に足を踏み入れた事は一度もない。
教師たちでさえ、軽音楽部の悪行に関しては見て見ぬ振りである。

あの不良たちが来年卒業すると同時に、軽音楽部は廃部になる。
部室は綺麗に掃除され、新たな部活動のネームプレートが貼り付けられるだろう。


先輩方にボコボコにリンチされた次の日、俺はようやくそのことを知った。

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:11:43.55 ID:dqPr2xYH0
 

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:14:39.88 ID:pz8TmGm10
三話 “リンチされて一番身体が痛むのは次の日”

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:14:51.14 ID:2kIxSOLCO
支援

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:16:09.63 ID:pz8TmGm10
ミスった・・・題名やり直します

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:18:22.14 ID:pz8TmGm10


三話 “リンチされて一番身体が痛むのは次の日”


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:21:43.22 ID:pz8TmGm10
以前から、俺は教室では空気のような存在だった。
そしてついにリンチ事件のあと、俺に関わろうとする奴はすっかりいなくなった。

そりゃそうだ。
誰も面倒事に触れたくないもんな。

('A`)「いて………」

あれからさらに一週間が過ぎた。
ミイラみたいに体中に巻いていた包帯も、ようやく取れてきた。
しかし心に負った傷は癒えることはない。

('A`)「ぼっち確定か………ちくしょう」


いつものように一人で弁当を平らげた後、俺はヘッドホンを装着して机に伏せていた。
ウォークマンから流れているのは、レッチリのカリフォルニケイション。

沈んだ気分にぴったりだ。
ジョンのギターが俺の心と共に泣いている。

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:30:14.68 ID:pz8TmGm10
(●'A`)


从゚∀从「おい」


(●'A`)


从゚∀从「聞こえてる?」


(●'A`)


从゚∀从「おーい」


(●'A`)


从゚∀从「………」


ソリャアッ
从゚∀从つ●⌒●
      ('A`)ウォッ・・・

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:37:22.04 ID:pz8TmGm10
从゚∀从「……」

('A`)「か、返せよ」

从●゚∀从 スチャッ
 ∩

('A`)「おい」

从●゚ー从 〜♪

('A`)「……」

从●゚ー从 ンフッフ〜♪

('A`)(ムカつく……)


从●゚∀从「いいね」

('A`)「え?」

从●゚∀从「俺も好きだよ、チリ・ペッパーズ」

('A`)「……」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:43:43.84 ID:pz8TmGm10
その女子生徒は平然と俺を見下ろしていた。
まるで路傍の石を眺めるような目つきだ。

彼女はヘッドホンを外して、ニヤつきながら俺に手渡した。
胸の中の苛立ちを押し殺して、俺は聞いた。

('A`)「キミ、だれ?」

从゚∀从「C組のハインリッヒ高岡。ハインでいいぞ」

('A`)「どこの国からの留学生?」

从゚∀从「日本人だ」

('A`)「ハーフ?」

从゚∀从「どちらかというとハーフ」

('A`)(意味わかんねえ)

('A`)「……何か用?」

そこで初対面のはずのハインリッヒ高岡は、俺の胸ぐらをいきなり掴み、顔をずいっと近づけた。
細くて色素の薄い眉を吊り上げ、切れ長で大きな目を見開いて俺を睨みつける。

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:47:47.09 ID:pz8TmGm10
怖かった。不良共に囲まれた時よりも、遥かに恐ろしい威圧感だった。
教室で食後の雑談をしていた同級生たちも異変を察したようだ。
お喋りを中断し、こちらを盗み見ている。

从゚∀从「噂を聞いたんだ」

('A`)「な……なに?」

从゚∀从「お前、鬱田毒男だろ?」

('A`)「そうだけども」

从゚∀从「一週間前、軽音楽部の部室に行って」

从゚∀从「先輩たちに喧嘩売ったって」


あぁ――――ヤバい。

てっきり音楽方面の流れになると思ったのに。
このままでは、俺は格闘技方面へ向かってしまうようです。

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:50:15.36 ID:dqPr2xYH0
 

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:51:36.77 ID:pz8TmGm10
从゚∀从「お前、強いのか?」

('A`)「強くないよ」

('A`)「実際」

('A`)「ボコボコにされたし」

从゚∀从「一人だったんだろ」

('A`)「確かにそうだけど」

从゚∀从「なんで部室に行ったんだ?」

从゚∀从「この学校の軽音楽部は、不良の溜まり場で有名なのに」

('A`)「それは………」

それを教えてくれる友達がいなかったからです。

この静まり返った教室で、そんな台詞が言えるか、バカ。

从゚∀从「お前さ――――」

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:54:44.94 ID:pz8TmGm10
( ^Д^)「おう、ここだよww1年B組w」

ミ,,゚Д゚彡「失礼しまーすwww鬱田クンいますかーwwww?」

(’e’)「優しい先輩たちが遊びにきたよwww」

ミセ*゚ー゚)リ「優しいとかwwwマジウケルwww」

最悪のタイミングだ。
あのウジ虫共、教室にまで来るなんて。

女子が怖がってるだろ!
男子が小便漏らしてるだろ!
ますます俺の評価が下がるだろ!


从゚∀从「あいつらか?お前をリンチしたの」

('A`)「……」


( ^Д^)「お!いたいたwwww毒男くーんwwww」

ミ,,゚Д゚彡「お迎えにきたよwwwあれwww何その娘www」

(’e’)「可愛いじゃんwwwお前の彼女www?」

ミセ*゚ー゚)リ「は?なに言ってんの?あたしの方がかわいくない?」

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/01(金) 23:57:40.16 ID:pz8TmGm10
( A )「――――ちくしょう」

从゚∀从「え?」

( A )「そうだよ………あいつらだよ……」

从゚∀从「毒男?」

( A )「俺はただ音楽がやりたかっただけなんだ」

( A )「バンドがやりたかっただけなんだ!」

( A )「知らなかった!軽音楽部があんな……糞に手足が生えたような奴らに喰いモンにされてるなんて!」


( ^Д^)「……あ?」

ミ,,゚Д゚彡「おい、今おまえなんつった?」

ミセ*゚ー゚)リ「よくわかんないけど……馬鹿にされたような気がする」

( ^Д^)「おいコラ、毒男」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:01:59.37 ID:++v0S+Rp0
从゚∀从「やっぱりお前は喧嘩よえーのか」

从゚∀从「本当に軽音楽部に入りたかっただけなんだな」

( A )「そうだよ」

从゚∀从「じゃあ、俺と同じだ」

( A )「え?」

顔を上げて怒鳴り声の方を見ると、先輩が拳を振りかぶっているところだった。
避けられるかどうか、微妙な距離だ。
とりあえず歯を喰いしばって、やってくる痛みに耐える準備をした。

从゚∀从「おそっ」

声は、ハインのものだった。
俺の視界の横から、ハインの白くて細い腕が伸びる。
先輩が拳を振る前に、小さな左のジャブを鼻面に一発。
それだけで、先輩の攻撃は中断された。

(  Д )「いっ………!?」

从゚∀从「喧嘩慣れしてねーなぁー」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:04:12.57 ID:++v0S+Rp0
たじろぐ先輩の後頭部を両手で掴み、ハインは懐へ引きこんだ。
そのまま流れるように、顔面の中心に膝を入れる。
なぜか少し、柔らかい音がした。

ああそうか。軟骨の砕ける音だ。

(  Д )「あ゛――――」

从゚∀从「弱い者いじめは喧嘩のうちに入らねぇ」

从゚∀从「毒男をリンチして強くなった気かよ?」

声は冷静だが、その裏には明らかな怒気と殺意が隠れていた。
赤黒い鼻血をまき散らす先輩。
もはや戦意を喪失しているのは瞭然なのに、ハインは彼の頭から手を放さなかった。

気づいた時には、もう遅い。

(;'A`)「おいもうやめ―――」

ぐしゃり。
今度は、ハインは膝を使わなかった。
代わりにもっと固くて丈夫な、俺の机の角に、先輩の顔を叩きつけた。
掃除の行き届いていない床に、濃い血の滴がボタボタと落ちた。

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:08:55.68 ID:++v0S+Rp0
(  Д )「あが………」

从゚∀从「次、毒男に手を出したら―――」

从゚∀从「殺すぞ」

そのハインの言葉は、俺にはとても脅しには聞こえなかった。
これほどに分かりやすい「警告」を耳にしたのは、生まれて初めてだ。

もっとも彼女の言葉は、少し前から教室に響いていた女子生徒たちの悲鳴によって、
ずいぶんと聞き取りづらいものになっていたのだが。

力なくもがく先輩を、ハインは床に転がした。
手が頭を離れる時、頭髪が千切れる音が聞こえた。

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:10:32.88 ID:++v0S+Rp0
(;’e’)「おま……ありえねえ………な、なにやってんだよ」

ミセ;゚ー゚)リ「ヤバいよ……に、逃げ……逃げよ……」


ミ,,゚Д゚彡「こいつ置いてくのかよ!?お、おい!ちょっと待てよ!お前ら!」

ミ,,゚Д゚彡「くそっ……あいつら、マジで逃げやがった!」

从゚∀从「モララーに言っとけ」

ミ,,゚Д゚彡「ひ……」

从゚∀从「部室は絶対取り戻す」


从゚∀从「………もういいや。あんた、帰るならこのゴミ持ち帰ってくれよ」

从゚∀从「くせぇから」


昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響く。
残された先輩は泣きそうになりながら、憐れな犠牲者を引きずって教室を出ていった。

問題はこれからだ。

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:15:15.32 ID:++v0S+Rp0
('A`)「お前さ」

从゚∀从「ん?」

('A`)「何してくれたんだよ……マジで」

从゚∀从「俺って、すぐこうなるんだよ」

('A`)「知らねえよ……そんなこと」

机と椅子にこびりついた血反吐。
床に広がる血溜まり。
その中に白い小さなものを見つけて、それが先輩の歯であることが分かり、さらにげんなりとする。

('A`)「すぐに先生が来る」

('A`)「次の授業は国語で」

('A`)「うちのクラスの担任だ」

从゚∀从「ああ。盛岡とかいう、ねちっこい奴か」

('A`)「そう」

('A`)「自分のクラスで暴力沙汰があったなんて知ったら、あいつ発狂するかもしれん」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:17:49.31 ID:++v0S+Rp0
('A`)「だからさ、とりあえずお前、逃げた方がいいぞ」

('A`)「俺が言い訳しといてやるから」

从゚∀从「バーカ」

从゚∀从「まだ分かってねえのか」

パチンッ ・・・ガラガラガラ・・・

('A`)「なんで窓開けてんの?」

从゚∀从「お前も共犯だっつーの」

('A`)「は?」

从゚∀从「先に行ってるぞ」

言い残して、ハインは窓から外へ身を投げ出し、校舎の奥へ消えていった。
残された俺はゆっくりと振り返り、教室を見渡した。

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:20:20.69 ID:++v0S+Rp0
('A`)「……?」


ヒソヒソ・・・


('A`)「……」


ヒソ・・・ ウワッ コッチミタッ


('A`)「あの」


ヤベーヨ・・・アイツラ・・・・・・ヒトゴロシ・・・・・ハインハオレノヨメ・・・


(´・_ゝ・`)「さぁーてぇー、授業始めまーす………んー?」

(´・_ゝ・`)「どうしてみんな席についてないのかなぁー?」

(´・_ゝ・`)「授業が始まる5分前に、椅子に座って教科書を開いておくようにっていつも言ってるよねぇー?」

(´・_ゝ・`)「どうして皆そんなこともできないのかなぁー?そんなに難しいことかなぁー?先生、難しいこと言ってるかなぁー?」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:24:23.86 ID:++v0S+Rp0
(´・_ゝ・`)「鬱田くん、どうしたんだねぇー?いつまでも突っ立てないでぇ………んー?」

(´・_ゝ・`)「………鬱田くーん。キミ、また怪我したのかぁー?」

(´・_ゝ・`)「ちょっと先生に見せてごらんー………おい、なんだその……おい」

(´・_ゝ・`)「どういうことだ?」

('A`)「あー……」

(#´・_ゝ・`)「おい!どういうことだ!それは―――キミの血か!?それとも―――」


盛岡の額に浮かんだ血管が、自転車のスポークほどの太さに膨れ上がった。
俺は身を翻して窓枠に足を掛け、混沌に満ちた教室から脱走した。

背中にぶつけられる盛岡の言葉を無視し、俺は走った。
明日の事を考えるのはやめよう。
どうせロクでもない事態が待っているに決まってる。


俺は今を生きるんだ。

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:27:54.30 ID:++v0S+Rp0
(#'A`)「そんなセリフが慰めになるかよ――――!」

理不尽だ。まったくもって理不尽だ。
校門に背をもたれて手を振るハインを見つけたとき、俺はよっぽど殴ってやろうかと思った。

だけどそんなことは出来るはずがない。
それは俺が一番分かっていた。

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:29:49.06 ID:K5ZyIJM90
支援だー

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:38:25.80 ID:++v0S+Rp0



从 ゚∀从「俺だって好きであんなことやったわけじゃないよ」

从 ゚∀从「でもな、ああいうのは一度痛い目に遭わないと、大人になってもあのままだ」

从 ゚∀从「あれは本人のためなんだって」

('A`)「そんなことさぁ」

(゚A゚)「聞いてねーんだよ!いつまでもふざけんなよ!」

(゚A゚)「明日からどうすりゃいいんだよ!」

从 ゚∀从「んー?」

(゚A゚)「ぼっちが担任に嫌われてみろ!この世の終わりじゃ!」

学校からの逃走劇の後、俺とハインは校門前から続く通りを歩いていた。
俺としてはひたすら学校から離れたかったし、ハインはハインで、呑気そうに俺の少し前を闊歩していた。

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:40:18.94 ID:++v0S+Rp0
手ぶらの男女の高校生二人組。
道行く人の視線が痛い。

('A`)「先輩達の報復もあるだろうし」

('A`)「入学して一ヵ月も経たないのに……お先真っ暗だ」

そんな俺の気も知らず、ハインは振り向かずに言った。

从 ゚∀从「気にすんな」

(゚A゚)「する!」

从 ゚∀从「奴らの血が見れて、清々したろ」

(゚A゚)「してない!」

从 ゚∀从「まぁなんとかなるさ」

(゚A゚)「ならないと思う!」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:41:02.01 ID:5ppWxDEH0
音魂ってなんだっけ、鮭の産卵のやつだっけ

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:42:31.39 ID:5ppWxDEH0
あれはうた魂か、まぁいいや支援

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:46:27.21 ID:++v0S+Rp0
十字路に差し掛かり、ハインは迷いなく道を曲がった。
俺はこの時間に家に帰るわけにもいかず、ハインの後姿について歩いた。

怪しげな店が立ち並ぶ、大人の通りだった。
夜になればピンクや紫のネオンが輝き、キャッチのお兄さんやお姉さんが声を嗄らして呼び込みに励む。
そんな道だ。

('A`)「なあ」

从 ゚∀从「なに?」

('A`)「どこに向かってるんだ」

('A`)「目的地があるのか、この散歩には」

从 ゚∀从「あるよ」

从 ゚∀从「ここ」

ハインが立ち止まったのは、一軒の楽器屋の前。
俺も何度か訪れた事がある店だった。
ガラスのドアの向こうに、ピカピカのギターやベースがぶら下がっているのが見える。

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:50:33.83 ID:++v0S+Rp0
从 ゚∀从「うぇーす」

店に入り、ハインは片手を上げて挨拶する。
カウンターの奥で雑誌を読んでいた店長が、気だるそうに返事をした。

(´・ω・`)「なんだ……ハインちゃんか」

从 ゚∀从「暇そうだなぁーしょぼくれ店長」

(´・ω・`)「こんな昼間に………学校はどうした?」

从 ゚∀从「うるせ。ここの楽器でドミノ倒しすんぞ」

(´・ω・`)「本当にやりかねないね、君は……」

(´・ω・`)「ところで、そっちの子は?」



('A`) コソコソ・・・

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:53:20.69 ID:++v0S+Rp0
从 ゚∀从「ああ、友達の毒男だ」

(´・ω・`)「へぇ……珍しい。君にも友達ができるのかい」

从 ゚∀从「この店で一番高いギター持ってこい」

(´・ω・`)「冗談だよ。いや、本当に」

从 ゚∀从「ロンドン・コーリングのジャケットを再現してやる」

(´・ω・`)「マジやめて」

从 ゚∀从「おい毒男」

('A`)ビクッ

从 ゚∀从「………お前、なにコソコソしてんだ?」

('A`)ベツニ・・・

(´・ω・`)「………見覚えがあるね。君」

(´・ω・`)「うん……見たことがある。君、よくこの店にきてたよね?」

('∀`)イヤァ・・・

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:56:11.04 ID:++v0S+Rp0
(´・ω・`)「思い出した」

(´・ω・`)「高いギターを試奏ばかりで手垢まみれにして、一度も金を落としたことのないクソガキじゃないか」


('∀`)


(´ ω `)「そうか………ハインちゃんと同じ学校に入ったのか」

('∀`)「あの、その、なんていうか、お久しぶりです」


(´ ω `)「ポール・リード・スミス」

('∀`)ビクッ

(´ ω゚`)「ファンダー・ジャズマスター」

(;'∀`)ビクビクッ

(´゚ω゚`)「ギブソン・レスポール、クラプトンモデル」

(゚A゚)ンギモッヂィイイイイ!!

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:58:53.20 ID:++v0S+Rp0
(´゚ω゚`)「フェンダーUSA、62年製ストラトキャスターに傷を付けた時」

(´゚ω゚`)「君には“入店不可”の意を明確に伝えたはずなんだがなぁ?」

(´゚ω゚`)「よくまたこの店に入れたもんだ………あ゛ぁ?」

(;'∀`)「ひひ……」

(´゚ω゚`)「しかもハインちゃんと二人でだとぉ?」

(´゚ω゚`)「埋めるぞ貴様ぁ……」

(;'∀`)「そ、それにつきましては……釈明の余地がありまして………」

(´゚ω゚`)「言ってごらぁん……?」

(;'∀`)「ハインに無理やり付き合わされたというか……なんというか……」

(´゚ω゚`)「殺すァッ!!」

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 00:58:57.84 ID:LVeYnSDJ0
なんだなんだ面白いじゃないか
支援

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:03:34.72 ID:++v0S+Rp0
今日だけで何度むき出しの殺意に晒されたことだろう―――
この時ばかりは、横から入ったハインの声が、天使の助けに思えた―――

从 ゚∀从「ベースとギター借りるぞ」

(´゚ω゚`)「へァッ!?」

从 ゚∀从「スタジオの鍵渡せよ。108号室な」

(´゚ω゚`)「―――」

从 ゚∀从「よし毒男。好きなギターを選べ」

从 ゚∀从「弾けるんだろ?」

('A`)「い、いいのか……?売り物だぞ………」

从 ゚∀从「いいよな?」


(´゚ω゚`)


从 ゚∀从「いいそうだ」

('A`)(この二人、どんな関係なんだ……)

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:06:28.89 ID:++v0S+Rp0
从 ゚∀从「俺はワーウィックを借りようか」

('A`)(鬼畜だ)

流れは読めた。
ギターとベースが一本ずつ。
ハインはベースが弾けるらしい。

これから俺たちはスタジオに入って、セッションする。
防音の行き届いた部屋で、でかいアンプにギターを繋ぎ、思うがままに弦を弾くんだ。

まさかこんな展開になるとは………
やっぱり音楽的な方向性だったんだ。
喧嘩はブラフだったんだ。
よかった。

形容しがたい形相で俺たちを睨む店長の事は、気にしないでおこう。

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:10:08.85 ID:++v0S+Rp0


从 ゚∀从「………俺さ」

念願だったスタジオに入り(結局俺は26万円弱のストラトキャスターを借りた)、シールドをアンプに繋ぐ。
小気味のいい金属の接触音が鳴った。
アンプの電源を入れると、スピーカーからサーノイズが流れ出す。

从 ゚∀从「お前のこと、一目置いてるんだ」

('A`)「え?」

ローランド(ジャズコーラス120ワット)のセッティングに四苦八苦していると、
一足先に準備を終えたハインがストラップを肩にかけて言った。

从 ゚∀从「リンチされた次の日、俺、お前を見に行ったんだ」

('A`)「へー……」

从 ゚∀从「頭に包帯ぐるぐる巻いてさ。ミイラみたいに」

从 ゚∀从「あれは笑ったよ」

('A`)「なんだよ」

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:12:00.23 ID:++v0S+Rp0
从 ゚∀从「でもお前、両腕だけは無傷だったろ」

从 ゚∀从「必死に庇ったんだな」

从 ゚∀从「ギターを弾くために」


ローランドのセッティングが終わった。
というか、こんなにツマミがたくさんあるアンプを使うのは初めてだから、イコライザーを適当にいじって他は投げ出した。

エフェクトなんていらねえ。
リバーブなんてくそくらえ。
ループなんて意味わかんねえ。

('A`)「音が出りゃあいいさ」

今はそれで上等。
いくら音質を機械で偽装したって、俺のギターなんてたかが知れてる。


从 ゚∀从「あぁ、こいつ、諦めてないんだなぁって」

从 ゚∀从「先輩に目付けられて、ボコボコにされて、友達もいなくて、軽音楽部は廃部寸前で―――」

从 ゚∀从「それでも、諦めてないんだなぁって」

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:15:00.64 ID:LVeYnSDJ0
まぁハインは俺の嫁なんだけどな

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:16:03.07 ID:++v0S+Rp0
最初に弾くのは、Eメジャーセブンス。

ニッケル製の弦をピックではじくと、音が空気を震わせる。
その振動はシングルコイルのピックアップに受け止められ、電気信号に変わる。
ギターの内部に張りめぐらされた、たくさんの配線を伝ってシールドのキャッチにたどり着いたその信号は、
さらに8メートルのワイヤーを旅してアンプに潜り込んでいく。

様々な抵抗をくぐり抜け、制限され、加工されたストラトキャスターの音は――――

それでも、二つのスピーカーで増幅され、スタジオ内に強く響き渡った。

この瞬間が、俺は大好きだった。
まるで偉大な先人たちの作ってきた音楽と、同じものを手に入れた気分だ。


ハインは、今日初めて話をした相手に向けるものとは思えない声で、俺に訊ねた。
訊かれなくたって、俺はハインにそう叫んだだろう。

从 ゚∀从「感想は?」






('A`)「………最高」

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:25:58.67 ID:++v0S+Rp0
今日はこれくらいで

途中へこたれそうだったけど、支援とか鮭の産卵とかライバルの出現とかのおかげでここまでやれました
ありがとう




ミルナ、ジョルジュ・・・あんたたちは紛れもない英雄だった・・・

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:26:54.42 ID:K5ZyIJM90
乙www

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:27:26.53 ID:95kPINTi0
たぶんまとめには載らないだろうけど頑張ってくれよ

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:29:28.14 ID:J0cnJvz80
面白かった乙

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:31:01.13 ID:++v0S+Rp0
>>62
がんばるぜ
最初からまとめなんて期待してない
俺がまとめでもまとめないだろ






泣いてないよ?

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:38:49.09 ID:l1880ALL0
泣くなよ!絶対泣くなよ!

見てるんだから乙
で、このスレで続けるの?新しく立てるの?

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 01:41:21.55 ID:5ppWxDEH0
面白かったよ!面白かったからきっとまとめ付くって!

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 02:03:54.66 ID:++v0S+Rp0
>>65
泣いてねえよ!
ていうか今日はこれで終わりだから、落としてくだちぃ

>>66
だ、だよな!だよな・・・


じゃ、よい新年をノシ

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 02:12:30.94 ID:l1880ALL0
はいよー

ノシ

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 03:34:16.36 ID:u6YV1cYB0
面白かったよー
続き楽しみにしてるー

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/02(土) 06:55:14.22 ID:uApa0Q4F0
おつ

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