
【文芸】『SOSの猿』伊坂幸太郎さん 「僕の小説が世の中を変えるとは思っていない。読んだ人に『何か』の影響があればいいなと思う」(32)
- 1 ◆GinGaOoo.. @銀河φ ★ sage 2009/12/21(月) 16:53:52 ID:???0
- 「SOSの猿」伊坂幸太郎さん 「助けもとめる声に届けば」
作家の伊坂幸太郎さん(38)が『SOSの猿』(中央公論新社)をまとめた。
困った人からの「SOS(助けて)」の声に、物語を紡ぐことで応えようとする「原点」が垣間見える作品になった。
「僕が小説を書こうとするのは、例えば野良猫が幸せかどうか分からない時に、
幸せになる物語が作れたら良いなという発想なんです」。まさに、そんな作品になった。
二つの「話」が交互に進む。一つは「悪魔払い師」が引きこもりの相談に乗る話。
もう一つは株誤発注の原因を調べる男の話なのだが、この語り手、なぜか孫悟空だ。
二つの話は合流し、希望を見せつつ捻(ねじ)れる。そんな物語の展開を、風呂場での話に例えた。
「お風呂に指を入れたら、屈折で、曲がって見えますよね。まっすぐいくと思っていたのに、
少しゆがんでいるというのが好き。それが小説の喜びなんだと思います」
執筆のきっかけは「株の誤発注」。
作中では、証券会社の社員が、1株を50万円で売り出すところを、50万株を1円で取引してしまう。
「僕もシステムエンジニアをしていたんですが、ミスが多くて。言い訳なんですが、
理由があったりするじゃないですか。だから小説の中ぐらいは、誤発注してしまう人を救いたいと思ったんです」。
誤発注の原因をたどると、睡眠不足や上司との関係不良など、様々な要因が見えてきた。
そして株誤発注の物語に、漫画家・五十嵐大介さんの発想を採り入れた。題材を共有しつつ、
お互い別の作品を作ったのだ。「孫悟空やエクソシスト(悪魔払い師)は、五十嵐さんのアイデア」と話す。
一方、来年2月刊行予定の漫画『SARU』(小学館)には、『SOSの猿』の登場人物が描かれる。
一人では思いつかない題材をつなぐのは「楽しかった」という。
こうして生まれた物語は、「SOS」に応えられるのだろうか。
伊坂さんは「僕の小説が世の中を変えるとは思っていない。大きい曖昧(あいまい)な隕石(いんせき)が
ぶつかるように、フィクションを読んだ人に『何か』の影響があればいいなと思う」と話した。(高津祐典)
■ソース:asahi.com(朝日新聞社) 2009年12月21日
http://book.asahi.com/news/TKY200912210134.html
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